【事例6】指の使いすぎによる痛み                            

  定年退職後も、今までの経験を生かし一生懸命仕事に精を出してる60歳を越えた男性。仕事の内容が、小さな製品を指で摘んで砥石上で丹精を込めて研磨することが多い。肘・肩が痛い、更には腰が痛むと1週間おきには当院で施術をされている。本効果もあり内臓関係も極めて御健康で図5.2.3その1に示すように、両足の長さも等しく、重量物の運搬時は時々脳脊髄液の循環が低下するが、通常は8近辺の良い値を示し、副交感神経・交感神経共に順調であると言える。
 今回、とつぜん、当院にこられるや真先に両手指の痛みを訴えた。左手は中指、右手は人指し指の根元が痛いと言う(図5.2.3その2)。先ず、痛みの強い左手の第1関節である手背・手掌部中心に診断した。手背斯箇所に腫れあり。術者の右手で患者さんの左手首を掴み、患部を術者の左手の親指と人指し指で挟み(図5.2.3その3-1)、前後伸展屈曲、左右側屈、左右回旋して腫れ部の痛みが最も減る方向を見いだし、本方向で患者さんの患部を、気持ちの良い力で圧接(今回は左回旋)。約5分後、急に固さが無くなり柔軟になった。更に2分圧接を継続して患部の痛みも無くなり、動きがスム─ズになった。指を静かに離し、患者さん御自身で前後左右回旋が改善していることを確認。
 右手の人指し指は、痛みが殆どない、と患者さん御遠慮されたが、念の為にと、触診した。第1関節の根元に、筋状の静脈の腫れを見いだしたので(図5.2.3その3-2 )、気持ちの良い程度に圧接して腫れのひけを待った。およそ5分程度でおさまり患者さんの患部の重みの感じも無くなった。