【事例2】筋肉の緊張

 

70過ぎの奥さん。第御3息女がお腹にあった時、ひょんなことから階段の手すりに腕を引っかけてしまい転倒。左手中指の近位指節関節(指先から数えて2番目の関節)をくじいて以来50年近くの間、痛み不都合を生じてきた。裁縫好きで知り合いの方から頼まれ縫い物をする際に、丁度、針抜き環を着け力を入れるところだけに、その都度痛み悩んでいた由。前記のように患部を引っかけた際、強い力が日常使う方向とは異なる方向に加わり筋肉の緊張が続いていたに因ると推測。

 

念の為、この様な場合の施術の原理

 ①圧縮ー牽引 ②前後屈曲 ③左右屈曲 ④左右回旋

 

動き範囲の大きい方向かつ、ないしは痛くない方向を選ぶ、そしてその方向に曲げ暫くの間、2分から3分あるいは急に曲げが大きくなるまで待つ。一方、患者さんもすでに痛みが無い方向ではあるが、その上に「ああ、楽になった」感じを受ける。今回の場合は八方向の中で、前後の屈曲が動き大きくしかも前方への曲げが大きい。

 

 意外の結果であるが前方向  への曲げでも痛みも無いので2分近く維持。急に曲げの程度が大きくなったが、念の為同姿勢を3分近くまで維持保った。患者さんの感触も楽になったとのこと。その後、診察時と同様、八方向の動きを検査して、患者さんに痛み不具合の有無を確認して終了。何しろ、50年近くに及ぶ不都合で大変だった、痛みも無くなりうれしいの連発。  

 

 施術による回復も、当例では、我々専門家によらず、回復の原理原則をわきまえ、かつ左指の患部故右手の活用も可能なので自分自身による回復も可能である。怪我に限らず自身での施術の例を出来る限り増やして、皆様のお役に立てれば幸いであります。実際、その後、患者さん・御本人、怪我後が気になると右手で左手患部を撫で擦り、生活に支障なくされてるそうです。

 (http://osteopathy.jpn.com  2013.06.20 米納・原)